苦く甘い恋をする。

長谷川くんは、こめかみを押さえ、ギュッとかたく目を瞑った。


「わかってる。それはおまえじゃない。でも……」


長谷川くんは、こめかみから手を離し、私の顔を見下ろした。


「こんなに似てるんだもんな。
思う出すなって言うほうが、無理な話だろ」


「……え?」


「初恋、なんだ」


「…………」


「それも、最悪の」


そう言って長谷川くんは、私の体を抱き寄せた。