あの後、戸崎は漫画コーナーへ迷うことなく歩いて行った。

迷わずそんな戸崎を無視して、自分の買い物に専念をすることに決める。


一応ここに来る前にあいさつはしたし、どうせ帰る方向も違うんだから、戸崎のことは放っておいてもかまわないだろう。


その後は、同じ建物の中にある適当な雑貨屋へ行った。


もともと、行く予定なんてなかったんだけどな……


買い物がすべて終わってから
ケータイを手に取って、無理矢理交換させられた戸崎の連絡先を呼び出す。


あいつはまだ、漫画でも選んでるんだろうか?


何となくここまで案内をしてくれたお礼のメールを送ってから

俺はそのまま、月美丘へ向かった。



学校の荷物とさっきの買い物の荷物の重みで、階段を登るスピードは少し遅い。


「カズハー!!」

「何じゃ? キョー」


不思議そうな顔で、カズハはひょこっと枝から顔を出した。


「上、上げてくれないか?」