* 俺様な先輩 *






「え……あっ……」





女子トイレの前を通ったら


偶然鉢合わせたフリをした。




本当はずっと見てたよ、お前を。




久しぶりに見た詩織は


やっぱり可愛くて


その大きな目を見開いて


困ってる様子だった。




俺は何も言えなかった。


やっぱり自分から、


もう一回やり直そうなんて


言えるわけねぇよ…




バカだよなぁ、俺。


今まで気持ち、


押し殺してただけだったんだな


って……やっと気づいたんだ。