二階は雑多な、黛の執筆室だった。
黛はベッドに横たわり、仮眠をとっていたようだが、ドアが開く音で目を覚ました。
「アンタ、寝てたのかい」
西郷は驚いて話し掛けた。
「アイデアが浮かばない時、仮眠をとるんですよ」
どちらかと言えば、黛の方が驚いた風であった。
「さっき若い女の声がしたんだが」
「若い女?」
「ええ、私も聞こえました」
木暮が口を挟む。
「ああ、志津さんの事ですかね」
「志津?」
「よく訪ねて来るのです」
「こんなところで?」
「樹海に住んでいるんですよ」
「アンタ以外の樹海の住人って訳かい?さっきこの部屋から声が聞こえたようだが」
「おかしいですね。私は眠っていましたので」
それ以上、話は進まなかった。西郷は木暮の方を見たが、木暮は何も言わなかった。
訝しげな二人を含め、三人は無言で下の階に下りてきた。
黛はベッドに横たわり、仮眠をとっていたようだが、ドアが開く音で目を覚ました。
「アンタ、寝てたのかい」
西郷は驚いて話し掛けた。
「アイデアが浮かばない時、仮眠をとるんですよ」
どちらかと言えば、黛の方が驚いた風であった。
「さっき若い女の声がしたんだが」
「若い女?」
「ええ、私も聞こえました」
木暮が口を挟む。
「ああ、志津さんの事ですかね」
「志津?」
「よく訪ねて来るのです」
「こんなところで?」
「樹海に住んでいるんですよ」
「アンタ以外の樹海の住人って訳かい?さっきこの部屋から声が聞こえたようだが」
「おかしいですね。私は眠っていましたので」
それ以上、話は進まなかった。西郷は木暮の方を見たが、木暮は何も言わなかった。
訝しげな二人を含め、三人は無言で下の階に下りてきた。