...嫌な予感しかしない。

「守永、心に何かあったらお前のせいだからな。」

「は?何もないだろ。」

何もわかってない。ただでさえ乃木に目をつけられてるって噂が広まっててひとりなのに。(薫と翔は別として)




「今日は欠席が多いなー。」

教室に入ってきた教師がそんな事をいった。まわりを見渡せば、もうすぐ授業が始まるというのに女子が数人しかいない。約10人どこいった。

「さっきまで居たのにな。全員でサボってんじゃね?」

守永はケラケラと笑っている。

「佐倉?お前冷や汗すごいぞ。」

本気で、嫌な予感しかしないのはなぜだろう。心が心配だ。集団リンチとかされてないよな。


「...先生、」

「ん?どうした佐倉。」

「腹痛いので保健室に行ってきてもいいですか。」

「もうすこし我慢しなさい。」

「...おねがい、します。おれ、限界なんですっ」

瞳を潤ませて、頬を上昇させ、上目使いで教師に訴えた。すると教師はうっと言葉をつまらせて「い、行ってきなさい。」と言う。にやり、思わず笑みが浮かぶ。


「...。」

その笑顔に気づいた守永は表情を強張らせて俺を見ていた。