「あーもー俺馬鹿みてえじゃん！」

「実際馬鹿じゃん...。」

「俺の何所がバカなんだよ!」

「...全部だよ！全部ばか！」

急に声を張り上げ、怒鳴る心。俺には何故彼女が怒っているのかわからない。

「なんで怒ってんだよ。さっきのことで、怒ってんのか？」

「理来こそ、なんで怒ってるのよ。」

「俺は怒ってねえよ。」

「顔が怒ってるよ。」

ああもう、キリがない。俺は話をやめて、「寒いし部屋にもどろうぜ。」と声をかけた。しかし心は動かない。やっぱり、さっきのこと怒ってんのかな。

「...さっきは、ごめん。」

「...それは、もういいよ。」

「なら、なんで怒ってんの？」

そう問えば、心の瞳にじわりと涙が浮かぶ。思わずぎょっとした。（変な事言ったっけ？）１人焦っていると心は「ばか。」とまた言う。

「いくら俺でも、何回も馬鹿馬鹿言われるとさすがに頭にくるんだけど。」

「...さっきの、告白、」

どきっとした。



「本当なの？」


「...うん。」

今更否定する気はない。しっかりと頷けば、心はこらえていた涙をこぼす。

「え!?な、なんで泣くんだよ！そんなに嫌だったのか!?」

「っ、ちがう！」

「ならなんで。」

「ッ、わけ、わかんなかったの。わたし、あのあと、ひとりでぱにっくになってっ...どうしたらいいのか、わかんなくて、」

「...。」

「理来のことで頭いっぱいになって、この気持ち、なんなのかわかんなくて。すごく苦しくて、私、」

...なんなんだろう、この可愛い生き物。きゅう、と胸が締め付けられた。涙を流しながら必死に自分の気持ちを伝えようとする心が、可愛すぎて、やばい。


今までずっと一緒だったのに、こんな心を見たのは初めてだ。