きっと、金髪の男子生徒が怖いのだろう。

私はなるべく気にしないようにして黒板を見た。

自分の席を確認して、そこに向かう。


場所は、1番窓側の1番後ろの席。最高の場所だと一瞬思ったが、それは間違いだった。

…だって、金髪君の後ろ。
正直、少し彼が怖かった。けど今日は高校生活の初日なのだ。

挨拶くらいはしなくては。

村上君がクラスの女の子をナンパしているのを横目に見ながら自分の席に向かう。


「よ、よろしくね。」

金髪君とすれ違う時に精一杯の笑顔を向けて言うと、彼は一度こちらに視線を向けて ああ と短く返事をした。

声は低く、迫力があったけど悪い人ではなさそう。

私は ふう と一息ついて机に荷物を置いた。