「理来、いたの!?」

「お前等が遅いから戻ってきたんだよ!」

声を張り上げる理来をみて、村上君は声をあげて笑う。

「お前ほんっとかわいーな!」

「可愛い言うな。」

「理来となら俺良いかも。」
「消えろ」

理来はボードに視線をうつして、クラス離れたな…と呟く。

「うん、理来と一緒が良かったなあ。」

本心からそう言えば、理来は そうだな と言う。

しかし、とやかく言ってももう意味がない。


「新入生の皆さんは各クラスに向かって下さい。」


教師の声を合図に外にいた生徒達が移動し始めた。

それにつられて私達も歩きだした。


教室前で理来と別れる。村上君と中に入ると、何故か険悪な雰囲気だった。

クラスはシンとしている。
緊張して皆話さないのかと思ったが、どうやら違うようだ。

「ここちゃん、あいつすごくね?」

私にしか聞こえないような声で村上君は呟く。

視線をうつせば、金髪でいかにも柄が悪そうな男子生徒がいた。

切れ目が特徴的で独特な雰囲気が漂っている。

クラスにいる子達が無言の理由がわかった気がした。