___心サイド
私は慌ててベッドから降りる。ここは乃木君の部屋らしい。理来以外の男の子の部屋に入るのは初めてだったわたしは少し緊張した。
「そんな言い方ないだろ。お前心のこと「言ったら潰す。」
理来の言葉を遮り、乃木君は怖い事を口走った。何を言いかけたのか気になるけど聞いたらきっと乃木君の機嫌は悪くなるだろう。
理来はむすっとして私の腕を引っ張り、「行こうぜ。」と言った。
「幽霊のこと、悪かったな。」
部屋をでるとき、突然乃木君に謝罪されて理来と私は立ち止まり振り向いた。
きっと、どうすることもできなかったことに対して謝っているのだろう。
「全然いいよ!協力してくれただけでもうれしかったし、ありがとう。」
私が笑顔でそういえば、乃木君の表情が少し和らいだ気がした。
「佐倉、」
「なんだよ。」
「明日、教師に言ったほうがええで。川村に憑りついてる可能性がある。」
理来はびっくりして私を見た。私もびっくりだ。操られただけかと思ってた。お祓いでもなんでもいいから早く除霊してもらわなきゃ困る。
「明日、話してみるよ。」
「...。」
結局幽霊はどうすることもできなかったが、乃木君と少しだけ仲良くなれたような気がして嬉しかった。
先程のこともあり、部屋に戻る気が起きなかった私達は悩んだあげく村上君に電話することにした。
こんな時間に押し掛けるのは悪いと思ったが、しょうがない。理来は最初からこうすればよかったとぶつぶつ言いながらも電話をすると、6コール目で『なんだよりくー』と眠たそうな声で村上君がでた。
「村上、今から心とそっち行っていい?」
『いまからぁ?お前何時だと思ってんの?あ、もしかして2人で夜這「黙れ!とにかく行くからな!」...はいはい。』