彼は座りなおして、再び食べはじめる。相変わらずの無表情で何を考えているのかわからない。

私が彼をちらちら見ていると、それに気づいた乃木君は視線を向けずに私に問い掛けた。


「…自分、俺に関わらんほうがええんちゃうの?」


正直、乃木君と関わることで更に避けられるのは嫌だ。けど、乃木君のことが嫌いなわけではない。


返答に困っていると、乃木君は一度ため息をついて立ち上がった。食べ終えたらしい。


背をむけて行ってしまった乃木君をみて、謎が多い人だなと思った。

















それから寮に戻り、自室で風呂に入り、後は寝るだけとなった。

理来は私の部屋の前で立ち止まる。

「本当に大丈夫?」

「おう。…おやすみ、心。」

「…おやすみ」

理来は私の部屋に入り、ドアを閉めた。本当に大丈夫なのか心配だ。私は不安になりながらも理来の部屋に入ると、彼のベッドにもぐりこんだ。

理来の匂いがして、すごく安心できた。今日はちゃんと眠れそう。


昨日あまり寝ていないせいですぐに睡魔が襲ってくる。私は静かに目を綴じた。