学校をでて暫く歩いた場所に大きめのアパートが建っていた。

どうやらここが寮になる場所のようだ。部屋は同性二人で使用しなければならないらしい。

白石先生が、部屋の場所がかかれている紙を配っている。




私は紙を受け取り自分の部屋を探す



…が、ない。


「…あれ?」

「ここちゃん何号室?」

村上君が紙を覗き込んできた。私はもう一度良くみて自分の名前を探すが、無い。

「私の名前、無い…」

「マジかよ!」

これはイジメですか。今日は本当についてない。最悪だ。

白石先生に自分の名前がないことを伝えると、彼は困ったように頭をかいた。


「あ、ごめんな。今確認取るから。」

白石先生は学校用携帯を取り出し、内線で誰かに連絡していた。

「はい…Bクラスの川村心の部屋が書かれていなくて……………そうですか、わかりました。」


数分やり取りを行ったあと白石先生は電話を切り、申し訳なさそうな表情で私を見た。


「すまん、記入し忘れていたみたいなんだ。」

「え…なら私はどうすればいいんですか!」

「昔、寮として使用していたアパートに行ってくれないか?木造で見た目は今にも崩れそうだが、中は大丈夫だ。部屋は一人で使ってくれて構わない。」


ひ ど す ぎ る !!

隣で村上君が同情した眼差しを送ってきた。

同部屋になった子と友達になれるといいな、とか思ってた自分が馬鹿みたいだ。