「先崎さん!」 あたしの声に振り返る先崎さん。 「華音さん?どうしたんですか?」 「あ、いえ。先崎さんこそ」 「ちょっと理事長にお会いしたくて。でも部屋が…」 「ご案内しましょうか?」 先崎さんはありがとうと言ってあたしの後を付いてきた。 特に会話もなく周りの人が不思議そうに見てるだけ。 そりゃ、翔太と力弥くんしか基本喋らないからね。 道のりはあっという間で理事長室についた。 「ここです」 「ありがとう」 「いえ!でわまた」 それだけ伝えて教室へ戻った。