「…なんで?」



私が2回聞くと、彼は私のホッペから手を離した。




「理由…は、ないけど。」

「嘘でしょ。」

「嘘じゃないよ…。」

「顔引きつってるもん!」


少し強い口調で言うと、彼は困ったように唇を噛んだ。



「"かっこいい死に方"なんて…。」

「新しいナンパ。」

私の言葉をかき消すように彼の言葉が2人の間に流れた。


「ナンパ?」



「…幻滅した?」



彼の顔には、変な笑みが浮かんでた。


やっぱり男は…チャライんだ。





「幻滅した。」


それだけ言うと、私は彼から走って逃げた。