運命の、その場所で



ナチの赤ちゃんなら…もっと素直に言えたのかな?

産みたいって思えたのかな?





そんなこと思ったって、もう遅いのにね…





吐き気もおさまって、私とナチは帰ることにした。


反対方向だけど、
ナチは私をちゃんと家まで送ってくれた。




玄関の前で私が


「バイバイ」



って言ったら、ナチはまっすぐに私を見て言ってくれたの。





「産めよ。」





嬉しかった…だけど…


「産めない。」



お腹に手を当てて、赤ちゃんのほうを見るとまた涙が溢れた。



「ナチの赤ちゃんじゃないんだ。」