恋する猫は、月の下~花の名のキミ~

彼の家に向かい、二人で並んで歩いた。


何か楽しいことが起こるような、わくわくとした期待感。

どこかで味わったことがあるような、素敵な緊張感。


でも、それがいつ、誰に対して感じた気持ちなのか…

どうしても、思い出せない。


こんな気持ちを抱く相手がいたのだとしたら


きっと、その人は大切な人のはずなのに…


果して、そんな人が本当にいたのか、その事実さえはっきりしない。