「思い出すまで、僕が一緒にいるよ」


自分がどこにいるのか、どんな形をしているのか

ふわふわと失われる意識の中で

恵都に優しく抱きしめられる感覚だけが

鮮烈に刻まれる。


「花名に寂しい思いは、絶対させない…」


脳裏にこだまする恵都の声に


あたしは、いつまでも耳を澄ましていた。



恵都の声を聞くのは


これが


最後になる


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