恋する猫は、月の下~花の名のキミ~

空虚感をふくんだ、苦いため息を無理やり飲み込み

「いってらしゃい」

あたしが恵都を送り出すと

「ありがとう」


恵都は、初めて見た時と同じ、穏やかな微笑みをくれた。