「でも、どうして私たちなんです!?」

 これでもかというくらいに食らい就いてやる!! 絶対コイツと二人旅なんてごめんだ!!

 「だって、うちで一番法力の強い人間と、うちで一番武術の強い人間を選ぶのは当たり前でしょ?」

 ……そりゃ、そうだ。

 いや、納得させられてはいけないっ!!

 「ですが」

 言いかけで、弥昼が口を挟んだ。

 「そりゃそうっすね」

 「……弥昼は良いんですか!? 旅ですよ旅!! いつもどれるかも解らないんですよ!?」

 「え? 良いんじゃない?」

 お前が良くても私は嫌なんですよ!!

 「ほら! 好きな女性にも会えなくなるんですよ!?」

 これなら、引き下がるだろ!!

 「別にいいっすよ」

 「……は?」

 「彼女達とは別に付き合ってないんで! それよりも、別の町の別の国の女と出逢いたいっすね~!!」

 ―-こいつ、最低!!!

 「弥昼くんは承諾してくれたけど、弥夜くん、キミはどうかな?」

 うう……。これでは承諾する以外に道は無いじゃないですかっ!!
 
 確かに、弥昼がいなければこれ以上ない重要な任務に違いない。
 私は静かにうなだれるように頷くしかなかった。
 
 「……わかりました」