赤色巨星

それ以来、あの強姦野郎どもを含めた、
やくざの頭どもを徹底的にこらしめた。
瞬時に気を失わせる、
幻覚を見せておどかす、
気を狂わせる、もちろん一時的なものだが。
などのまやかしで、俺はガレー船のなかで頂点に立った。

学んだのだ。ここではそうやって生きていくしかない。

泥棒野郎はかたときも俺から離れなかった。
俺のそばにいれば安全だったからだ。

「兄い、名前なんていうの?」

「サダクロー」

「ぷっ。変な名前!」

「お前は?」

「qだよ。」

「お前のほうが変な名前じゃないか」

「ほんとの名前はクエンティン。
でもみんな覚えられないから、qって呼ぶんだ。
兄いもサダクローってほんとの名前じゃないでしょ?
ほんとはなんていうんだよ?」

qは俺の腰に腕をまわしてきた。

大師様からいただいた名前は口が裂けてもいえなかった。

「サダクローだよ。自分でつけたんだ。」

「もっとましな名前、つけりゃよかったのに。」

qは俺の摩羅をまさぐってきた。
こいつもやはり、衆道か。

「やめろ。俺はそっちじゃねえよ。」

qの手を払いのける。


俺は自分の部屋を持っていた。
もちろん、本当はこの船室もいく段にもつらなったベッドが並べられていたが、
全て、他の部屋へ運ばせ、一人で占領した。
どっちにしろ小さな船室だったが。
それは見せしめのためだった。
俺が頭であることを周りの連中にわからせるためだった。

女の夢を見ていた。
あの、洞窟で抱いた女だ。

会いたい。

気持ちを抑えられなくなる。
もはやかなえられないことだ。

身体に重さを感じて目が覚める。
何者かが、俺の下半身におおいかぶさっている。
一瞬、夢の中の女が、現れ出たように思った。

「サダクロー、夢みてたの?」

qだ。
飛び起きた。

「やめろ。」

qは執拗に俺の摩羅を引きずり出そうとしている。

「よせ!」

俺はかかとで奴の細いあごを蹴りつけた。
qがふっとんだ。

「ひどい、サダクロー、蹴ったな。
気持ちよくさせてやるのに。」

qの唇から血が出ていた。

はっとなった。

はじめて、人に暴力をふるった。

俺が、暴力を?