「でもさ、そうして引越し前の想い出作りに協力したようだけど、彼女は今もあの家に住んでるって知ってる? 結局、引越の話なんて、嘘だったってことでしょ」

「うん。俺も、いったいいつになったら引っ越すんだろうと思ってたんだ。でも、その話を切り出すと彼女が泣き出すから、それ以上何も聞けなくて」

「だから、嘘だったんだってば! 突っ込まれると困るから、泣いてごまかしたんでしょ」

「そうだったのかもな」

そうだったんだってば!