しばらく無言のまま車を走らせ、サトシは、港の見える公園の駐車場に車を止めた。 「少し歩こう」 車から出て、歩きだす。 日の沈んだ薄暗い公園の展望台から、海を眺める。 行き交う船の明かりが見えた。 「あのさ……」 しばらくして、サトシがゆっくりと口を開いた。 今からサトシが語ることは、きっと嘘ではない。 なぜだか分からないけど…… そんな気が、した。