そこで電話が切られ、ツー・ツー・ツーと無機質な音が私の耳に響いてきた。 電話の向こうで冷や汗をかいているであろうサトシの顔が目に浮かび、一瞬くすりと笑ってしまったものの…… 次の瞬間、重い気持ちになる。 そっか。 サトシは選べないのか。 もう、そう簡単には選べないところまできてるんだね。 でも―― そんなこと言わないでよ。 ねぇサトシ、選んでよ。 私を選んでよ……!