「…それもそうか。 なら、一つだけ約束して欲しいんだ。 俺の正体や名前、一緒に行動する内容の話は」 男はよっぽど用心深いのかギリギリまで念を押す。 「“絶対に誰にも言わない”って」 …別に捕って喰おうって訳でも無いのに。 大体、正体も何もただの誘拐犯じゃない。 心の中で軽く嘲笑して男に再び向き直る。 「分かった、約束するから。 だから勿体ぶらずに見せてよ、貴方の顔を。 正体とやらを明かしてみせてよ」 どうせ“中身はヘタレなただの弱っちい男” そう思っていた、のに。