視界いっぱいに広がるのは、見渡すばかりの畑に田圃。 映るものは緑ばかりだった。 こんなにのどかな土地があったなんて。 目を見張ってしまう。 田圃や畑の間を縫って、ぽつぽつと民家が建っている。 初夏の風が吹いて、近くの木々をさわさわと揺らす。 頬に風を感じながら、靡いた髪を手で軽く整えた。 やっぱり夜中なだけあって昼の生暖かい風とは違い、ひんやりしている。 ちょっと寒い、位かも。 隣を見ると男もきょろきょろと辺りを見回していた。