たまたま隣に座っているだけだろう?


――だったらまだ良いですね。



顔が格好良い? 好みだった?


――そんなの分かる訳無い。
だって顔見えないんだし。



一般的に訊ねられそうな問い掛けに皮肉を交えながら自問自答してみる。



そこで結論を導き出す一つの問いに突き当たった。



“だったら、何故?”


何故って、それは…。


…簡単に答えて良いものなのだろうか。


答える事に躊躇してしまう。


所詮、頭の中で、なのに。


それ程に、この状況は本当に奇妙だった。