“いちるが俺の事強くしたんだよ”
そんな事無い。
そんな筈無い。
今愚かにも涙を流すあたしなんかちっとも強く無いよ。
でも。
「目が覚めた時、もういちるは居ないんじゃ無いかって思ったんだけど
こうして俺の事待っててくれた。
それだけで充分だよ」
「っ、」
でも“強く在りたい”と思ってる。
大切な人を守れる様に。
大切な人の力になれる様に。
「架、渡したい物があるの」
どうか、その強く在りたいと思う気持ちは貴方に逢えたからだと言う事を忘れないでいて。
「何?」
涙を拭って、あたしはある物を紙袋から取り出した。


