…驚いた。

初めて見る特別室の中はマンションの一部屋と何等変わらない空間だった。


木のフローリングに壁には大きな液晶テレビ、奥の方に目を向けると小さなキッチンや冷蔵庫、シャワールームまで完備されていた。


流石、いろんな意味で“特別室”だ。

この部屋だけで充分生活出来る環境が整っている。


部屋は当然明かりが消されていて暗かった。

そんな中でも部屋の様子が分かったのは

ベッドの横にある棚の上の小さなランプが付けられていたから。


架の横たわる、ベッドの。



ごくりと固唾を飲み込み、ゆっくりと音を立てない様に

恐る恐るベッドへと近付く。

ベッドの隣には丸椅子が二つ並んでいた。


その一つに腰を掛ける。