「…なら、交渉成立って事で」 あたしはにっこり微笑んで、もう片方の手を男の手に添えた。 …大丈夫。 いざとなったら、逃げられる。 彼はあまり体調が優れていないみたいだし。 それに何より、ここであたしが断って 彼がショックを受けて自暴自棄になって 自殺でもされたら堪ったもんじゃ無い。 まあ、そんな事はしないと思うけど。 何となく見た目で。 ちらりと男を見ると、シャツから出た二本の腕は男の人にしては細い方で、所謂華奢だった。