「君も、もう帰りなさい。見た所、架と同い年位だろうし
この時間じゃ親御さんも心配してるだろう?」



「……。」



…だから、心配なんかされて無いのに。


携帯の充電はもう切れた。切れる前も、メインディスプレイをずっと見つめていたけれど

新着メールの一文字すら画面に浮かぶ事は無かった。


いつもの事。


なのに他人に指されると苛々してしまうのは

あたしが本当は両親に心配されたいと言う気持ちがあるからなんだ。



「…架は君に話してるのか?」


何の事か良く分からないけれど
話と状況の流れからして病気の事だろう。


そう察したあたしは、こくりと頷いた。



「…そうか」



あたしを見て、彼も頷く。