芸能人と言う事もあり、架の両親が選んだ特別室に入院時はいつも入るらしい。



手術をすぐに始めるかは架の状態に因るらしく、緊急処置の具合で決まるとの事。


手術はよっぽど緊急事態で無い限りは
患者が落ち着いている容態の時に行った方が良いらしい。


それは当然の事なのだ。


処置を余儀無くされた架に、あたしは離れざるを得なかった。


だから今、ナースステーション前の待合室で
待っている事しか出来無いのだ。



「全然大丈夫そうに見えないが…」


彼はあたしの座るソファーの一人分間隔を空けた場所に座った。



大丈夫じゃ無いよ。

大丈夫な訳無いよ。


でも、


「今の架の侵されている状態に比べたら

あたしなんて全然大丈夫です」


それは本当の事だから。