「一日だけで良い、本当に一日だけで良いから…。 いちるちゃんの一日を俺に頂戴」 「っ、」 何て奴なの。 本当に、毒みたいに甘い台詞を吐く。 しかも、とてつも無く優しい声色で。 「……、」 すっくと立ち上がったあたしの手を男は手を伸ばして ぎゅっと握り締めてくる。 ――これが、まるで命綱であるかの様に。 握られた手は、噎せていたせいなのか 少し汗ばんでいて熱かった。 だけど、それを気持ち悪いとは思わなかった。