「…分かった、行かない。 逃げないし、誰も連れて来ないから。 だから、足、離してよ」 宥める様にそう言って、男の背中を軽く擦ってやると。 「……、」 男は安心したのか漸く掴んでいた あたしの足を解放した。 それを見届けて、今度は男の横に身を傾けて 背中をゆっくりと擦ってやる。 それを繰り返す内、息遣いは段々静かになり やがて呼吸も治まり始めた。 ひゅー、ひゅー、 と男の吐く息遣いの音が大分静かになってきた時、 あたしは今一度訊ねてみた。