「…誰にもずっと話したく無かった事なんだ。

だけど、やっぱりいちるには黙っていたく無いと思った。

さっきは酷い言い方してごめん。

聞いて欲しい、って言ったらいちるは俺の話聞いてくれる?」






そんなの、





「当たり前だよ」


笑顔のまま、でも力強く返事をした。


架があたしに話してくれる事なら何だって嬉しいよ。



不安そうな目をする架はまるで何かに怯えて警戒する猫の様だと思った。



そんな架を拒絶する選択肢なんて有り得無かった。



話を聞くだけでも、架の中に痞えているものが少しでも軽くなれば良いと願う。






「聞いてくれる?




嘘ばっかで繕った臆病でどうしようも無い高塔架の話――」