「そうじゃ無いけど」


「だったら何で…」


「良いから早く!!」


あまりにも急き立てるから。

不安を感じた。

それと同時に怖かった。


こんなに焦って怒鳴る様な架の声を聞いたのは初めてだったから。


一体、どうしたの?


架に引かれるがまま、人混みを掻き分け移動しようとした刹那。


耳に飛び込んできた“架”と言うワードに
あたしは顔を上げた。


見上げると其処は、ショッピングセンターの外壁に掲げられているモニターの大画面だった。


テレビはニュース番組が流れている。


アナウンサーの女の人が報じているニュースが耳に届いた時、

あたしはその場で固まってしまった。



『続いてのニュースです』