タタン、タタン、


一定のリズムで電車が走って行く。



はぁ、はぁ…


すっかり疲れたあたし達は電車内だと分かっていたけれど

扉横の手摺りに凭れてずるずると座り込んでしまった。


やっと、一安心出来る。


せっかくのワンピースも汗でびっしょりになってしまい何だか架に申し訳無い。


はぁ、はぁ…


呼吸を整えつつ、行き先を訊ねる。



「適当に乗ったけど、これ快速だよね?

どうする?
取り敢えず次に着いた駅で降りる?」



「いや、近場だとすぐに見付かる可能性が高い。

次の次の駅で降りよう」



「…分かった」


それから、駅を降りるまであたし達の間に会話は無かった。


ただただ疲れて、あたしは架が腕のリストバンドで流れる汗を拭う仕種を見つめていたのだった。