逃げるなら今しか無い!
瞬時にそう思ったあたしは架に視線を移す。
と、架もあたしを見ていた。
険しい眼差しで。
どちらからともなく
こくり、と二人して頷き合う。
これだけで合図は充分だった。
次の瞬間、あたしは握っていた架の腕から手を離す。
架は離れたあたしの手をすぐ様手の平で掴み直すと
ぎゅっと握り締めて走り出した。
何処を目指してるかなんてそんなの無い。
取り敢えずこの人達の前から姿を消さなくちゃ!
「あ、おい待て!
何処へ行くんだ!」
「俺達も後を追うぞ!」
逃げ出したあたし達に気付いた記者とカメラマンが慌てて追い掛けて来る声が後ろから聞こえる。


