それは観覧車を降りた時だった。


隣に居る架が急に誰かに肩を叩かれて振り返った。




其処には――



『やっぱり、似てる。

…と言うか、本人だよね?

天才俳優の高塔架くん?』


そう言ってにやりと笑う男の姿があった。



「架、知り合い?」


思わず駆け寄ると。


「あれー君はもしかして
もしかすると高塔架の恋人だったりするのかな!?」


キラリ、と男の瞳が光った気がした。


「べ、別にそんなんじゃありません!

違います!」


何なの、この男!


気持ち悪い視線に苛々して架の腕をぎゅっと掴む。


「……。」


架は黙ったままだった。


けれど、とても怖い顔をして男の事を見つめていた。