「人は、たまには報われる事が無いと希望を持って歩いて行けない」



「うん…っ」



観覧車がゆらり、ゆらりと揺れる。


あたしの頭を撫でる架の手はとても温かくて。

言葉は無くても、


“大丈夫、大丈夫。
よくやった。

きっとこれからも頑張れる”

って、あたしの未来を照らしてくれてる様な気がした。


すぐには信じられないけど、自分はもう少しやれる気がした。



「…有り難う」


「どう致しまして」


いつの間にかワンピースに膝の部分だけ大きな染みが出来ていて。


これ以上雫を落とすまいと目尻に溜まった涙を手の甲で、ぐいっと拭った。


深呼吸をすると大分落ち着いて、すっきりした。