「うちはそうじゃ無いからメールなんて来ないよ」
「でも」
架が納得いかなさそうな顔をしているのが
窓ガラス越しに見える。
「…携帯見せて」
「やだ」
「いちる、お前誘拐されてる立場だろ。
ちょっと位言う事聞け」
……!
まさかそんな事を言われると思わなかったあたしは弾かれた様にして架の顔を見る。
あたしが振り向いた時、架は俯いていて。
深い帽子の下、顔は見えなかった。
出逢った時と、同じだった。
今のは脅しの言葉だったけど。
でも、もう架があたしを脅したくて言った言葉なんかじゃ無い事は分かるから。
「あたしが携帯を操作する。メール文とかプライバシーに関わる所は見せられないけど
それでも良いなら見せるけど?」


