ら。



「バカ、こっち見んな!」


慌てて片手で顔を隠す架の顔は真っ赤だった。


ぼっ、と自分の顔も火が出そうな位熱が篭るのが分かる。


うわー…

うわー…!



「…役柄では甘い台詞も沢山吐いてきたけど

ガチで言ったのは初めてだから慣れてねぇんだよ」


顔を覆う手の、指の隙間から見える頬は真っ赤に染まってて。


まるで林檎みたいだった。


「…やっぱり架可愛い」


「…五月蝿い」


その“五月蝿い”さえも照れ隠しだって分かるから。


ああどうしよう。


きっと今のあたしの表情、どうしようもなく緩んでる。



嬉しいとか可愛いとか幸せとか。



そんな宝物みたいな感情が一気に溢れたんだ。