「えー、でもティーカップは回すもんでしょ。

普通に乗ってもつまんないし」


「そりゃそうだけど…」


「取り敢えず悪かったって。

次はいちるの乗りたい物乗るから許して?」


悪戯が失敗した子供の様に顔の前でぱちんと手を合わせ謝られたら…


怒る気も無くなっちゃうじゃんか。



「良いよ。

じゃあメリーゴーランドね」


あたしも恥ずかしがらずに楽しむ事にした。


自分に嘘付いてどうすんの。


ってようやく怒ってあげられる様になったから。



「良いじゃん、メリーゴーランド。

俺も好き」


架はあたしの“好き”を笑ったりしなかった。


それが凄く嬉しくてくすぐったい。


自分の“好き”を人に認めて貰えるなんて幸せなんだね。