「おい、大丈夫か!」
ぺちぺちと軽い音を立てて両頬が叩かれる。
「ふぇ?」
くらりとする頭に目眩を感じていると。
『大丈夫ですかお客様!』
目の前には架と係員さんの姿。
はっ、として立ち上がると其処はまだティーカップの中だった。
「びっくりしたわ。
だっていちる、呼び掛けてるのに途中から全く応答無いんだもん」
「え、えっ!?」
きょろきょろと辺りを見回すも
あたしと架が乗るティーカップ以外はもう空っぽだった。
「いちるが目を回して気絶してる内にとっくに終わったっつーの」
「嘘っ!」
たかだかティーカップで目を回すなんて最悪だっ!
引き攣った顔のあたしの手を引いて架はティーカップから降りた。


