「そっか、そうだよな」



「うん!いつか出来るよ!」


「いつか、な!」


二人で顔を見合わせて笑った。


いつかを信じた。


今すぐに実現する夢じゃ無くても…
きっと、いつか叶う日が来るって。


こんなんだからあたしは温いって言われるのかも知れない。


ただ、架はこの時どんな気持ちで笑っていたのかな。


考えるだけで心が壊れそうになる。


この時本当にバカな事を言ったのだと

後に自分を呪ってやりたくなるとも知らず、あたしは笑っていた。



架も笑っていた。



だから深く考え無かったし気付か無かった。


架は“役者”だって事、

あたしは分かっていたつもりで

すっかり忘れていたのだ――。