「…そうかもな」


架は目をぱちぱちさせてあたしの事を見た後、何かを納得した様に目を閉じて頷いた。


「俺の夢だった話、聞いてくれて有り難うな」


「夢なんかじゃ無いよ」


「え?」



「架が夢を諦めない限り、夢はまだそこにあると思う。

そりゃ“プロデューサー”を本職にする事は出来無かったかも知れないけど」


思うんだ。

架に諦めて欲しく無いって。


可笑しいよね、自分の事はすぐ諦めるのにさ。


他人の事になると何でこんなに必死になれちゃう自分がいるのか、…分からない。


「きっと、他の切っ掛けでそんな仕事が出来る日が来るよ。

架が諦め無い限りね」


「…そうかな」


「そうだよ!」