笑っても良いよ。


それが例え虚偽の嗤いだとしても、感謝してるから。


もう一度あたしにワンピースを着る勇気と切っ掛けをくれた事。



だから――



「似合ってる」


「…え?」


「月並みな言葉しか言えないけど
本当に良く似合ってるよ」


「…!」


「誂えたかの様にいちるにぴったりだし
このまま何処かに閉じ込めて他の奴の目に触れさせたく無い位可愛い」



「っ、」



やめてよ、そんなに優しい顔しないでよ。

照れた顔なんてされたらあたしまでどうしたら良いか分からなくなるじゃん。



「いちるはワンピースが良く似合う可愛い“女の子”だよ」


架の双腕がゆっくりと伸びて肩に、腰に回る。


そのままゆっくりと抱き留められた。