「いち…」
「ねぇ、架!」
痺れを切らしてかもう一度あたしの名前を呼ぼうとした架。
それを遮ると勢い良く試着室から飛び出した。
「わ、何…」
驚いた顔をする架の正面に立って向き合う。
――終わりと始まりの言葉をください。
「ねぇ、架」
「ん?」
「…ワンピース着れたよ。架があたしの為に選んでくれたワンピース、着たよ」
「…うん」
ねぇ、架…
「…たし、ちゃんとワンピース似合ってる?」
少し背伸びをして胸を張る、あたしの小さな晴れ舞台。
だけど震える膝と爪先にどうか気付かないで。
不格好でも、気付かないフリをして。


