24時間プロデュース【完】





もう着るのやめちゃおうか。


だってもう充分でしょ?


五着もワンピースを着れた。

あの頃のあたしからしたら大きな進歩だよ。


乗り越えられた、ちょっとだけど。


それだけでもう――


でもせっかくの気持ちを無駄にして良いの?

架のくれたチャンスを蔑ろにして良いの?


「…駄目だよ」


握り締めたワンピースの裾がくしゃりと皴を作る。


あの時のあたしも花柄のワンピースを着ていた。


あの言葉を彼の口から聞くまでは、

笑ってた。


可愛いワンピースに身を包んで。



もう着られなくても良いの?


――確かにワンピースなんて着なくても普通に生きて行けるし
生活にだって何の支障も無い。