花火大会の会場につくと、すごい人ごみだった。 『離れないでね』 『う、うん』 『水城さん、ちっちゃいから探すの大変』 手をつないでいることにまだ慣れない。 ずっとどきどき、どきどき。 『水城さん何食べる?』 いきなりそんなきれいな顔で覗き込まれたら、そりゃ驚く。 てか、死んじゃう。 『とっとうもころしっ』 きょどりすぎだ、わたし。 『ははっ、噛むとか可愛い』 『っ…』 絶対きみはわたしを殺す気だ。 こんなんじゃ、心臓もたない。