「はい。三田先輩またね。約束忘れないでね」


それはこっちの台詞だよ

圭吾さんが怪訝そうな顔をしたけど、内緒。


「ああそれと大輔、志鶴には勝手に話しかけるな」


「何だよ、それ」


大輔君は腰に手をあて、挑むような目で圭吾さんを見上げた。


「志鶴は羽竜本家の客で、僕の従妹だ。お前のじゃない」


「ふーん。兄貴に優月とられたから用心してんだろ」


圭吾さんがスッと目を細めた。

圭吾さんは本気で怒ってる。


大輔君、ヤバいって!


「その通りだ」

圭吾さんが大輔君の胸に人差し指を突き付ける。

「分かっているなら口を慎め。司が何年冷遇されてきたか分かってるだろう?」


「言われなくたって、そんな女に興味なんかねーよ!」


「『話しかけるな』と言っただけだ。志鶴に興味なんて持ってみろ、ただではすまないぞ」