「あれ? あんた本家に来てるお姫さんじゃないの?」


「お姫さんじゃないけど、羽竜本家の居候よ」

と、小生意気なガキに答える。


「美月ぃ、目の敵にしてたのに何仲良くなってんだよ!」


「だって、お姉ちゃんと圭吾さんが別れたのってこの人のせいじゃなかったの」


「だけど、こいつ圭吾と結婚するんだろ? いいのかよ。圭吾のこと好きなんじゃないのか?」


えーと、結婚するって決まった訳じゃないんだけど

さらに言えば、失恋で支えてくれる年下の男の子が必要なのは美月の方だったわけ?


「なに誤解してんのよっ!」

美月が怒った。

「わたしはお姉ちゃんと圭吾さんのカップルが好きなのよ。わたしは同じ年で、イケメンで、ちょっと強引で、わたしにベタ惚れな彼氏が理想なんだから!」


美月……『同じ年』を取れば目の前に理想の彼氏立ってるけど


余計なお世話か